「男の牙城」ウィーンフィルハーモニー管弦楽団が崩れつつある

ウィーンフィルを巡っての以下の新聞記事は、別のオーストリア新聞社による、いわば続報です。
今年1月1日のウィーンフィルによる恒例ニューイヤーコンサートから、2024年10月30日現在、ほぼ11か月経過しました。

今年(2024)一月、当該オーストリア新聞社の新聞記事では女性の指揮者がいつ登場するのか、女性作曲家の作品がいつニューイヤーコンサートのプログラムに採用されるのか、といった点について長々と書かれていました。

この二つの点についての回答が以下の記事で明確にされたと言えるでしょう。



"Männerbastion" Wiener Philharmoniker bröckelt
「男の牙城」ウィーンフィルが崩れつつある

Riccardo Muti dirigiert beim Neujahrskonzert das Werk einer Komponistin;
erstmals wird eine Frau ein Abo-Konzert leiten.
Kronenzeitung: Dienstag, 15. August 2024, Seite 45

リカルド・ムーティは新年(2025年)のコンサートで、ある女性作曲家の作品を指揮する、
サブスクリプション・コンサートでは女性が初めて指揮を執る



→Die Wiener Philharmoniker residieren derzeit bei den →Salzburger Festspielen.
Rund um →den heutigen Feiertag Mariä Himmelfahrt leisten die "Wiener" einen
gewichtigen Beitrag zum diesjährigen Jubiläum anlässlich des 200. Geburtstags
der oberösterreichischen Komponisten →Anton Bruckner.

ウィーンフィルは目下、ザルツブルク音楽祭にお邪魔している。本日金曜日(8月15日)は(オーストリアでは)祝日で”聖母マリアの被昇天”と称されるが、この日を巡ってウィーナ(ウィーンフィルの略称)はオバーエストライヒ出身の作曲家アントン・ブルックナーの今年生誕200年の祝祭に重要な貢献を果たす。

Stardirigent Riccardo Muti dirigiert bei seinen traditionsreichen Matineen
mit den "Wiener" im→ Großen Festspielhaus →Bruckners monströse Achte Sinfonie.
Das Konzert wird live in Ö1 übertragen. Weitere Konzerttermine gibt es am
Samstag, 17., und Sonntag, 18. August.

スター指揮者のリカルド・ムーティはザルツブルク祝祭大劇場でウィーンフィルと一緒に本人自身の伝統的なマチネ(昼公演)でブルックナーの長大な第8交響曲を指揮する。このコンサートはラジオ局 Ö1 で実況放送される。他のコンサートの日取りとしては土曜日の8月17日、そして日曜日の8月18日がある。



Muti geht übrigens in sein 54. Jahr am Pult der "Wiener", und er wird -
dieses Geheimnis lüftete soeben - am 1. Jänner 2025 zum siebenten Mal
das Neujahrskonzert im →Musikverein leiten. Eine nächste Überraschung
wurde leider nur halb enthüllt: "Ich werde noch keinen Namen verraten,
aber wir werden dabei erstmals das Werk einer Komponistin spielen",
stellte Orchestervorstand Daniel Froschauer in Aussicht.

ところで、ムーティ自身は54年目のウィーナ指揮台に立つ、それとこの秘密を明らかにしたのだが、2025年1月1日、本人にとっては第7回目のウィーン楽友協会での新年コンサートを担当する。それともう一つのサプライズがたった今、残念ながら半分だけだが、明かにされた。「私としてはまだ名前を明かすことはしない、が我々としてはそこで初めて女性作曲家の作品を演奏することになるだろう」と同楽団の団長ダニエル・フロッシュハウア。


Die zehn Ab-Konzertprogramme der kommenden Saison liegen in den
Händen von zehn musikalischen Leitern. Neben Muti finden sich
Christian Thielemann, Franz Welser-Möst und Stammgast Zubin Mehta,
der vor 63 Jahren erstmals das Orchester dirigierte, am Pult. Erstmals
wurden auch drei Debütanten damit betraut. Und hier setzt die "Männerbastion"
eine nächste Sensation: Der litauischen Dirigentin Mirga Graziyte-Tyla wird
diese Ehre als erste Frau überhaupt zuteil. Weiters feiern Jungstar Klaus
Mäkelä oder Yannik Nezet-Seguin Abo-Debüs. Asien-Tournee der "Wiener"
wird von Andris Nelsons musikalisch geleitet.

来シーズンのサブスクリプション・コンサートプログラム10曲が、10人の音楽監督の手中にある。 ムーティの他には、クリスティアン・ティーレマン、フランツ・ヴェルザー=メスト、そしてレギュラー・ゲストのズービン・メータが指揮台に立つ。ズービン・メータは63年前に同楽団を初めて指揮した。今回初めて、3人のデビュー組も任された。 そしてここに「男の牙城」が新たなセンセーションを巻き起こす。リトアニア出身の指揮者ミルガ・グラツィエテ=タイラは、女性として初めてこの栄誉を受けた史上初の女性指揮者 である。若手スター、クラウス・マケラとヤニク・ネゼ=セガンもサブスクリプション・デビューを飾る。 アンドリス・ネルソンスは「ウィンナー」のアジア・ツアーの音楽監督を務めている。


Neujahrskonzert in Linz huldigt dem Walzerkönig
リンツでの新年(2025)コンサートはあのワルツ王にオマージュを捧げる

Schauplatz Linz: Chefdirigent Markus Poschner und das →Bruckner Orchesters
widmen ihr Neujahrskonzert im Brucknerhaus dem Walzerkönig Johann Strauß,
weil man im Jahr 2025 dessen 200. Geburtstag feiert. E. Rathenböck

舞台をリンツに移そう。主席指揮者のマルクス・ポシュナーとリンツ・ブルックナー管弦楽団はブルックナーハウスでの新年コンサートではワルツ王ヨーハン・シュトラウスに捧げる、というのも2025年はシュトラウス生誕200年を祝うからである。

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